明日できること今日はせず 

身辺雑記より:手塚治虫



2007・10/20
『中央公論Adagio』用の資料写真を受け取る。子供の頃から馴染んだ人物であるが、二重まぶただったこと、始めて知る。眼鏡のレンズが分厚くて気がつかなかった。


11/9
試写会開場が中央公論新社の真ん前で、せっかくなので次号のアイディアスケッチを持ってお邪魔する。今号の『夏目漱石と本郷を歩く』が地味なので、次号は少々ハデにと、主人公にジェットエンジンを背負わせ空を飛んでもらおうと考えている。タイトルに毎号“歩く”がつくのに、歩かずに飛んでるじゃないか、ということもなく、背景になる撮影場所も決まる。


11/13
中央公論アダージョのH編集長と、都内某所、高層ビルにてロケハン。次号は主人公に空を飛んでもらおうと思っているので、ビルを何棟も行ったり来たりして撮影ポイントを探す。展望室もあったが、ガラスに密着できないようになっていて、写り込みを避けにくい。開店前の店に頼んで窓外の景色をチェックさせてもらう。会員制クラブは昼間見るとけっこう汚ない。絨毯など、中学校の石灰まみれの体操マットの如し。よほど照明を落として営業するのであろう。入店規則に服装がどうのと書いてあるが、笑止千万である。そういういう店に限って、本部に許可をもらわないと、などとうるさい。勿論そういうものだろうが、時間のことあり、すべて却下。結局、すぐに了解をもらえた、感じの良い喫茶店に決め、窓際を予約する。問題は、明日の光線。 かえりにK本に寄ると、おでんが始まっていた。喉が渇いていたせいで、キンミヤ入りチューハイをゴクゴクと喉を鳴らして飲んでしまう。隣りに座る常連のMさんに、空を飛んでもらう予定の某作家の首を披露。無事ウケる。ここでウケないようでは話にならない、ということになっている。
※三井住友ビルより都庁を撮影


11/14
昨日のロケハンで不思議に思ったのが、店や展望台で働く人に、目の前にそびえるビルに光がいつ当たってるか、どう当たってるいるかなど、何を聞いても誰も知らない。毎日見ている景色だろうに、と思うのだが。そんなものらしい。予定時間に喫茶店の窓際に陣取る。景色を眺めるうち、昨日までの構想と、少々フレーミングを変えることにした。撮影はあっという間に終わり帰宅。現像を済ませネガを選んでいると、一階下に住む映画プロデューサーのYさんからK本より電話でお誘い。「今日はネガ選ぶのに時間かかりそうなので行けるかどうか」といったものの、使えそうなカットを1カット見つけたとたん、安心して出かける。


11/26
先日、アダージョ5号表紙画像を入稿。12月という事もあり、キャンドルの火を撮影し、いろどりを添えてみた。パソコンをそのままに連休に入る。自転車を乗り回したり、釣りをしたりしていたが、すべて放っぽりぱなしのツケが、ただいま回ってきているというわけである。
※手塚漫画のジェット噴射は、例えば鉄腕アトムもそうだが、ローソクの炎のようである。それをあえて、そのままやってみたが、さすが出力不足に見え、噴射感を加えた。