明日できること今日はせず  

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1某日17 荷風と映画

近所の古石場文化センターの講座に出かける。入り口に今回の講師の川本三郎氏が。3月の市川市での荷風展の監修をされるが、担当の方が話しておいてくれたようなので、短い時間だったがロビーで立ち話をさせていただく。川本氏を以前お見かけしたのは、澁澤龍彦氏17回忌の寺から会場への送迎バスの中で、私の前、数人おいて座られていたのが川本氏ではなかったか。他に松山俊太郎、巖谷國士氏などがいて異様なバス内であった。あの日は法事に出席するか直前まで迷い、終わった頃に人の流れにまぎれて全集出版記念の会場へと考えたのだが、私に気付いた係りの人に、まだ間に合いますと云われてしまった。通りすがりの者ですと云うわけにも行かず、おそらくその時、日本でもっとも濃い集団が後ろに並んでいる中、私が最後に焼香。冷や汗をかく。
 講座は『荷風と映画』というテーマ。『渡り鳥いつ帰る』『墨東綺譚』などのビデオを観ながらの脱線話がまた面白かった。映画は昭和10年代の設定で30年代はじめに撮られたそうだが、荒川放水路など、荷風が愛した風景がまだそこにあった。30年代にその撮影が可能なほど、当時の時間はゆるやかだったとおっしゃっていたが、荷風が東京オリンピック前に亡くなったというのは、幸せな事だったのかもしれない。私にとっても東京オリンピック以前の東京の記憶は財産である。


1某日16 パソコン初期化

まだメールの調子が思わしくないが、とりあえず。今回もTさんにはお世話になった。 久しぶりにウインドウズの起動音を聞き、パソコンをはじめた頃を思い出した。当時は毎日起動するのが楽しみであった。しかしそれもつかの間、マニュアルを全力で投げつけ、柱に正拳突きの日々が続いた。しかし現在は私もだいぶ大人になっており、パソコンを頭上高く差し上げ、そそり立つ岸壁から荒波に向かって投げ落とす場面を想像する事で耐えた。その際、途中の岩の出っ張りに当たって砕けた後、海中に没するようにしてみた。 3日もすれば、泳ぎ出すはずの稚魚が底に固まってなかなか泳ぎ出さなかったが、4日目からうろちょろ始まった。しかし20センチも親魚から離れると口でパクりとやられ、隊列に戻される。いささか過保護ではないかと思えるが、親のガードは固い。5日目の今日になると、母親にたかるハエのような感じでまとわりついていて、母親にべったり。すでに5ミリに。御役御免のオスは隣の水槽で相変わらずノーテンキにしている。 人間の成長は遅いので、オスにもその後の役割が与えられるが、もし成長がはやかったら、子供の顔を見る間もなく「お父様はこちらへ」と産院の調理場で調理され、産後の栄養にはこれが一番という事で、カマキリのような運命にあったかもしれない。などとオスの馬鹿ツラ眺めながら。


1某日15 パソコン

5年ほど使用したパソコンが悪戦苦闘にもかかわらず、どうにもならなくなってリカバリーという事になってしまった。アドレスはバックアップをしていたが、最近のメールは消えてしまった。アドレスだけでは、誰が誰やら判らない。 もともとホームページを作ろうと購入したパソコンだが、画像をどうするつもりも無いので、ウインドウズを選んだ。ついでに数多いビデオをデジタル化して整理したり、編集などやってみようと映像に強いパソコンを選んだのだが、どういうわけか、ついに一度もそんな作業はやらずじまい。CDRWがついていたが、CDのコピーすら一度もした事がない。結局よけいな物が何も入っていないシンプルな物で充分だったわけで、やるつもりの事を一度もせず、やらないつもりだった事ばかりしている。 中井英夫二体目が、眼鏡と着彩を残し完成。夜中によりによって、昭和30年代の中井英夫が台の上に立っているのを寝転がって眺めていると、これを造った私は、けっこう愉快な人間なのだろうと思えてくる。それはそうであろう。是非愉快な人間でなければならない。


1某日14 孟母三遷

前日から1ミリ程の卵がピョコピョコしていたが、無事孵化を果たした。相変わらず与太郎なオスはドタバタするだけでとんだ役立たずで、稚魚を食べられてもと別の水槽に移しておいた。 昼頃のぞいてみると卵を産み付けた皿の上に稚魚が見当たらない。さては食べてしまったかと目を凝らしてみると水槽の隅に集められていた。どうやら強い水流を避けて移動させたらしい。見ていると母親はこちらを威嚇してくる。また私から稚魚を隠そうとする。 夕方覗くと、先ほどのところから、さらに流れの穏やかな場所に1匹残らず移動している。おそらく口に含んで運んだのだろう。ご苦労な事。ずっと稚魚を見守っている。それが本能というものであろうが、何故だか解らないが育てずにはいられないといったところであろう。あまり美味しそうな魚には見えないが、近頃世間を暗い気分にさせている人間の親に、スープにして呑ませてみたらどうか。


1某日13 十円火鉢

富岡八幡の初市で、小さ目の手あぶり火鉢、五徳、灰ならし、火箸を買った友人のEだが、帰りの大江戸線、門前仲町駅改札で、五十がらみの御婦人に声をかけられたそうである。亡くなった父親が火鉢を使っていたのを思い出し、思わず声をかけたという。両国までの道中、車内で荷物を全部開けて、一つずつ見せてあげたようだが、御婦人は懐かしさに涙ぐんでいたそうである。 私の周りでは炭火がブームである。この暖かさは独特の物で、以外の物では味わえないものである。魚など焼くと、上手い具合に中まで火が通るが、その理屈からいくと冷え性にも良さそうで、『ネココタツ』という瓦のような材質でできた、丁度カマクラのような形の昔の保温器を使っている人もいる。 ネットオークションで百十円で火鉢を落札した人がいる。送料は別にかかるわけだが、使う人が少ないとはいえ、いくらなんでも安い。送られてきた火鉢には灰が入ったままだったそうだが、中には錆び釘やら瀬戸物のカケラ、あげくはタバコの吸殻まで入っていた。灰皿代わりに使っていたのかもしれないが、百十円では文句をいう筋合いではない。しかし後日、灰の中から百円玉が一つ出てきた。


1某日12 Tちゃん

幼馴染のTから電話。「ついに俺が雑記に登場したな。」「俺のこと意識して書かないようにしてると思ってたんだぜ。」「別にそういうわけじゃないけど。」「だけどホント。俺等のクラスに太宰みたいなスカした奴が転校してきたらヒデェ目にあってただろうな。」(不気味に高笑いする)「でもよー。そのかわり俺等と一緒だったら、あんな死に方しなかったと思うんだよな。」「どうして。」「俺等は線路に耳くっ付けて電車が来たーなんてやってただろ?」「確かに。」「走ってる汽車や電車の車輪が触れるような所でも遊んでただろ?」「まあね。」「だから俺等の中で、電車に轢かれるような馬鹿いねェだろ?」「それはあり得ないけど、だから?」「ところでさー。なんで俺だけあんな汚ねェ言葉で登場すんだよ。おかしいじゃねェか。」「太宰はなんであんな死に方しないのよ?」「そんな事、俺は知らねェよ嫌いだから。」 君は今後、あまり雑記には登場しないと思う。


1某日11 産卵2

先日熱帯魚が産卵したが、結局今回も孵らず。 隣りの水槽のメスが発情しているように見えたので、オスをそちらに入れてみたら、見る間にメスの輸卵管が伸び、目がランランとしてきた。色彩も別の魚のようである。オイルプリント用ゼラチン紙を作るために、浴室を出たり入ったりしながら横目で観察していたのだが、目の前で産卵が始まった。底に沈めてある素焼きの皿に、メスが輸卵管をこすり付ける様にして卵を産み着けている。後からオスが同じような格好で放精しているようなのだが、見ただけでは判らない。手を休め見入ってしまうが、子供の頃、家で飼っていたセキセイインコが、産卵時に家族の誰かが巣を覗いてしまってから(おそらく私)卵は産んでも食べたり落したりして孵る事がなかった。それが原因かは解らないが、ウチではそういう事になっていた。その記憶があるので、写真やビデオで記録しようと考えていたが、どうも近寄れない。覗こうとするとオスと目が合ってしまう。『これは失礼』 インスタントカメラで数カット撮り、あとは通るたび横目で眺めるだけにしておいた。


1某日10 1週間を3日で過ごす

年齢と共に時間が過ぎるのが早くなるが、それにしても早過ぎる。先日、外へ出たら妙に静か。そうか今日は土曜日か。と思うとすでに日曜日であった。 TVでは先日まで泣きながら卓球していた幼児が、もうオリンピックに出るとか出ないとか云っている。そのオリンピック自体が近頃は頻繁に開催されているようである。知人と「この間、一緒にTVでオリンピックの100メートル決勝見たと思ったら、もうオリンピックだよ。」などと言っていたら、その間に、もう一つオリンピックが開催されていたという事があった。 なにか騙されているような心持ちがするが、いつか、酔っ払ったついでに、面倒だから未来を早回しで見せてくれよと、うっかり悪魔と取引でもしてしまったのではないか。 CDジャケットの撮影依頼があり、前回撮影に使わせていただいた近所の店で待ち合わせる事になっていたが、来週の件などとメールしていたら本日であった。ほとんど外に出ず、同じ作業をしているせいもあろうが、旧約聖書がなんと云おうと、先週はあきらかに3日しかなかった。


1某日9 腰痛

Hが明日からお台場のビッグサイトで宝飾関係の展示があるという事で、搬入が終わった後、先日産卵した熱帯魚を観に来る。オスは先月30日にHからもらった魚なので気になっているのだろう。Hは腰を痛めていた。昨日、水槽を掃除していて、フィルターを動かそうとして痛めたらしい。 腰痛は重い物を持ったからなるわけではない。私はコンビニで下の棚のゴミ袋をとろうとしてなった。これはやった人でないと解らない辛さである。腰骨がダルマ落しのダルマにでもなったようで、なんとか歩けたとしても、芯をずらさないようスロウモーションのお能のようにしか歩けないので、みっともなくて昼間は出歩けない。 腰痛といえば、私がもっとも恐怖した話。 知人が嫁さんの両親の反対を押し切って、なんとか結婚を果たした。早々に先方の家が引越しする事になり、ここぞとばかりに張り切って手伝いに行ったわけだが、さて始めようという時、カラの段ボール箱をヒョイと持ったとたん、ギックリときたらしい。嫁さんやその両親が忙しく働く間、横で寝ていたそうである。よっぽど頭から布団をかぶっていたい心境であろうが、気楽に寝ていると思われてもと、おそらく布団から頭は出していただろう。人形作家とはいえ、私の実力では、その間、彼がどんな顔をしていたか想像できなかった。


1某日8 歯磨き体操

この間まで蛸や海老はコレステロールが高いとされていたのに、それほど高くはない事が判り、かえってコレステロールを減らす成分があるとTVで医者が云っていた。 つい最近まで健康に良いとされていたリノール酸が血栓、心臓病の原因になっているとも聞く。そういえばその手の植物油のCMをパッタリ目にしない。その時は判らなかったのならしかたがないが、それなら実はいけませんでしたと云わないで良いのであろうか。あれだけ派手に宣伝しておいて何事も無かったようにトボケられても困る。 歯磨きも今では横に磨く様だが、小学生の頃、横磨きは歯茎に良くないと全校生徒を集めて大きな歯の模型を手にした校医を前に、歯ブラシを持って体操までやらされたものである。あれだって企業がからんだ戦略の一つだったはずである。 人の云う事をいちいち真に受けていたらロクな事はなさそうであるが、ニコチンの夢のような効能が発表されるのも、そう遠くはないであろう。


1某日7 産卵

幼馴染のTに会う。開口一番「昨日の太宰観た?まったくスカしャがって、相変わらず嫌味な野郎だぜ。死ぬンだったら、テメエ一人で死ねってんだ。バカヤロー。」昨日TVで放映された太宰治と山崎富栄の心中事件のドラマの事をいっている。相変わらずというのはどうかと思うが、別に憤慨しているわけでなく(実際彼は笑顔で語っている)合うのは久しぶりなので照れくさく、いきなりこう始っただけの話であろう。確かに小学生時代、我々のクラスに太宰が転校してきたらヒドイ目にあったに違いない。私も太宰は大の苦手である。 実家に一泊して帰ると、フラワーホーンが産卵していた。正月に生まれる寸前までいったが、うまくいかず、パートナーを換えてみたのだが、結局もとのペアに。以前、別のペアが産卵したが無精卵だった。その時のメスのトラシックゴールド。最近餌をほとんど食べず衰弱していたが、帰宅した時は生きていたのに、ペアの産卵に気付き、喜んで振りかえったら死んでいた。その間ほんの三分くらいだろうか、まるで私の帰宅を待っていたかのようであった。


1某日6 少年探偵団

中井英夫像の乾燥に入る。乾燥した後、靴や細部を整え、眼鏡を造り着彩し撮影という手順。この時期、乾燥は早いだろう。 ラジオで近々BBCがジョン・ケージの『4分33秒』を放送すると言っていた。4分33秒無音なので放送された事は無いのだが、史上初なら、BBCに先駆けて放送してしまおうと、数秒間無音。放送事故になってしまうので触りだけだったが、アナウンサーがハラハラした様子が可笑しかった。 夜、森下文化センターの講座『乱歩の世界』 最終回は、乱歩のお孫さんの平井憲太郎氏。御家族ならではのエピソードを伺う。後年の乱歩は、戦前とは一変し社交好きになったわけだが、酒はたしなむ程度にかかわらず、夜遅くまでハシゴをしていた。亡くなった後、数年経っても曰くありげな女性が登場する事もなく、奥さんが「良かったね」と云ったという。父と子の話しも面白い。息子の隆太郎氏に直接聞けば良いものを、「隆太郎は教授になったのかい?」とお嫁さんに聞く。廊下で鉢合わせるとお互い「ア、ドウモ」父と息子とはそんなものであろう。大乱歩も家では奥さんの尻に敷かれていたそうである。 質問の時間に、憲太郎さん御自身は探偵団ゴッコをやられたのか質問してみると「明智小五郎などは、やらせてもらえなかったけど、やりました。」との事。


1某日5 初市

はやく目が覚めたので早朝、富岡八幡宮の骨董市にでかける。 暗いうちから物色していたらしい、腰に懐中電灯をぶら下げた人がいる。以前映画ポスターを買っていたオジサンとは目を合わせないようにしていたが、「大映ありますよ。若尾文子に田宮二郎」良く覚えている。「オジサン、もう置くとこないよ」後でまた来ると脱出。 『池永』『稲尾』のベーゴマと、鉈豆(なたまめ)煙管を買う。なた豆がどんな豆かは知らないが、金属製の薄いプレート状の煙管で携帯に良さそうである。物理学者、寺田寅彦の随筆には、一五六歳の中学生の時に、父親に真鍮製のなた豆煙管を買ってもらって得意になったとある。 私は長らくパイプを愛用してきた。パイプの香りは良く、喫茶店でふかしていると中学生くらいの女の子に「なんかいい匂いがする!」と素っ頓狂な声を上げられ、赤面しそうになった事がある。しかし一方、その香りは醤油などと全く合わず、食事をするような所では遠慮してしまう。煙管用の刻み煙草は、匂いじたいは紙巻煙草と変わらないのでいくらかマシであろう。一回が10秒前後で終わってしまう煙管は、紙巻煙草のように、惰性で吸ってしまうという事はないので節煙になるし、副流煙も少ししか出ず、パイプと違って、咥え煙草も歩き煙草もできない。昔の日本人の喫煙に対する考えが良く判るが、ウサギが木の根っ子に蹴つまずくのをボーっと待ちながら一服というのが良さそうである。


1某日4 集中力に欠ける日

こんな日は無理して造っても良い事はないので、熱帯魚の水槽掃除、明日から予定しているオイルプリント用ゼラチン紙制作の準備をする。ペアを作って、産卵も間近と思われたフラワーホーンは輸卵管も引っ込み、今回の産卵も断念。ゼラチン紙は塗布したゼラチンを固まらせるため、わざわざ寒い時期に作るわけだが、冷たくて気が進まない作業。しかしそろそろ作りだめをしておかなけらばならない。 友人がネットオークションで火鉢を捜しているというのでメールを見ると、印判手の染付火鉢であった。私はこの印判手というのが大嫌いなのである。手描きでなく、ハンコでペタペタした安手の物だからというわけではない。昔、岐阜の製陶工場で似たような事を毎日やっていたせいである。呉須で印刷された紙を濡れた刷毛でなすっては剥がすの繰返しであった。工場では冬の朝、氷が張った釉薬に手を入れての釉がけは辛かったが、そう思うと、暖かい部屋と行ったり来たりのゼラチン紙制作など楽なものである。 新牛蒡が出ていたので糠漬けにする。


1某日3 嫌な写真

中井英夫作品集 別巻(三一書房)に昭和39年の『虚無への供物』出版記念パーティーの写真が載っている。その中に三島由紀夫、澁澤龍彦とともに中井英夫が写っているカットがある。キャプションにはこの写真が嫌で、23年間誰にも見せなかったとある。何がそんなに嫌だったのであろうか。子供の時眺めた、ゴジラとモスラとラドンが並んでいる映画ポスター同様、興味深い写真なのだが。 中井英夫の写真はポケットに手を突っ込んでいる写真が多い。もしくは腰に手をあてるか、何かを持っている。だらりと垂らしている物もあるが、察するに写真を撮られる時、手のやり場に困るタイプの人ではなかったか。手というもの、うっかりすると色々語ってしまう物である。そう思うとグラスを持った左手はともかく、右手が中途半端に無防備である。『黒衣の短歌史』にもこの日の同じような写真があるが、こちらは会話の補佐をしている形である。 などと中井英夫のポーズを考えながらどうでも良い事を考える。助手の本多正一氏に理由を伺いたい気もするが。案外、自身のパーティーだからといって、散髪してきましたという感じのウナジが嫌だったりして。まあどうでもよい事である。


1某日2 制作開始

新年初の夢は、やたらと女性が登場する夢であった。手に汗握る荒唐無稽な内容であったが、夢の中の私は、(それが私の夢の特徴なのだが)いかにも私らしい行動、発言しかしないので、あまり旨味はなかった。納得いかない気分のまま中井英夫の制作を始める。 私は頭部には時間をかけるが、身体は裸でない限りは勢いで制作する。写真作品を見れば判るが、細部は以外と粘土っぽい。私はことさら実物と見まごうばかりという世界を創りたいわけではないので、それで良いのである。たまたま実写にしか見えない作品ができた時など、もっとヘラ跡など付けて、作り物らしくすれば良かったと思うくらいである。私が表現したいリアルに、必要の無いものはできるだけ排除したい。 昭和30年代の中井英夫、前作のサンダル履きの普段着とちがってスーツ姿の予定。私は自分がスーツなどほとんど着ないくせに、ジャズマンで散々造ってきたので比較的気分は楽である。


1某日1 正月

元旦に実家に帰り、2日、3日は寝たり起きたりして過ごす。最近は正月といっても暖かい。窓を開け放ち、火鉢で湯を沸かす。布団から手だけ出し届く範囲に"すべて"置く。TVは年々つまらなくなり、三重県の陶芸家の友人にもらった酒器をかたむけながら宇野浩二、泉鏡花など読んで過ごす。手だけ出してとなると煙管で刻み煙草が具合が良い。火入れに火のついた炭を一片仕込んでおき、そっと近づけ火をつける。ライター、マッチでは一気に着火し具合が悪いのである。2、3服で終わってしまうせいで、暮れに買った10グラムの煙草が半分も減っていないから、たいした節煙にもなる。 先日Hからもらったオスのトラシックゴールドと、ウチのフラワーホーンのメスがペアになったようで、輸卵管、輸精管を出しながら産卵の気配を漂わせている。産卵までこぎつけても、以前のように無精卵という事もあるが、無事孵化すれば春から縁起が良い。 購入した炭が悪かったらしく、部屋中がいがらっぽく、まるでキャンプ場にいるような感じである。店が開いたら買い換える事に。