江戸川乱歩

 帝都上空

 この人形は、始めから遠近感を誇張して造って
 あります。ですからこのように撮るしかなく、この
 アングルしか撮影ポイントがありません。 

 背景は描いた物で、それを自然光で撮りました。
 
乱歩の作品には晴れた青空でさえ恐く思える作品
 がありますが、この場合は本当の空を背景に使わ
 なかったのが良かったと思います。夢のような雰囲
 気が出たのではないでしょうか。

 二十面相のように帝都上空を脱出してもらいました
 が、乱歩は明智小五郎だろうが黄金仮面だろうが、
 何にでもなってくれます。作家の中には作中の人物
 をどうしても演じてもらえない人もいます。それはきっ
 と作家の作品に対するスタンスの違いなのでしょう。

 私はアイデアをスケッチしたりしないのですが、この
 作品は悪戯書きのようにして描いた絵がそのまま作
 品になりました。
 

モノクロ版を乱歩邸の
書斎の机の上に飾って
いただいています。